ガバナー公式訪問スピーチ -2011.8.10-

RIのテーマについて  第2670地区ガバナー 美馬精一

 ガバナーの美馬精一です。ガバナーの先輩二人を前にして些か緊張しております。

南RCの吉田茂様には香川第1分区のガバナー補佐と地区会員増強委員長、財務委員長の堀祥二様、長期ビジョン検討委員長の田中弘之様、世界社会奉仕委員のマスウド・ソバハニさん、規定審議準備委員長と国際奉仕委員会カウンセラーに太田英章PDG、地区研修委員・クラブ奉仕委員会カウンセラー・ロータリー・コーディネーターの豊田章二PDGの6名の方に地区のご協力を頂いております。

 さてRIのビッグニュースとして来年の7月に日本歴代三人目のRI会長が誕生します。名前は田中作次さんという72歳のPDGで2770地区埼玉県の八潮ロータリークラブ会員です。当地区の松山西ロータリークラブの須之内パストガバナーと1994-95年の同期のガバナーです。

 今年の5月20日から25日、米国ニューオ-リンズの国際大会でRI会長の受託演説を英語でなさいました。歴史的に非常に感動的な瞬間に遭遇し、光栄な一時でした。

田中さんは新潟からリヤカー一つで上京され、化粧品、雑貨を扱う商売をされ中々の苦労人で努力家です。次期のタイでの国際大会には皆様も是非ご出席頂いてRI会長就任演説をご一緒に聴きたいと思っています。

 さて、今年1月15日からサンディエゴで開かれた国際協議会に出席しました。内容は非常なハードスケジュールで集中的な充実したプログラムでした。

 全世界から534名のガバナーエレクトと配偶者など200ヵ国以上から総勢1500人が集まり、ロータリーという組織が如何に国際的かということを思い知りました。

会場入口には「入りて学び、出でて奉仕せよ」と六カ国語で書かれているのが印象的でした。

 今年のRIのテーマはインドのカルヤン・バネルジーさんの“Reach within to Embrace Humanity”です。Reachは、ボクシングでいう手の届く範囲と援助の手を差し伸べるという意味があり、withinは内側に、Humanityは博愛・愛情、Embraceは抱きかかえる抱擁するで、“博愛を抱擁するために援助の手を差し伸べる”「こころの中を見つめよう 博愛を広げるために」という日本語訳です。

 このテーマは非常に難解な点があると思いますが、子どもの話に例えると、子どもが泣き叫ぶ場合、泣き止ませるためにお菓子を与えますが、食べ終わると又泣き出す。こういう時に子どもを抱き上げて、愛情を持って抱きしめるとやがて泣き止み、微笑みをもって応えます。

 私は医師ですが医療で、頭が痛いから眠れないという患者に頭痛薬か睡眠剤を投与します。これはそれなりに正しいのですが、薬が切れると再び症状が出てまた薬を投与します。これを対処療法といいます。これに対し病気の原因が何かを聴診、問診、視診、触診など検査をして、病気の本体が分かれば立ち所にその症状は出てこなくなるという根治治療とがあります。赤ちゃんが泣き止まないときに愛情を持って抱きしめるということが、子どもが泣き止むというのは根治治療であるということです。

即ち博愛とは抱きしめることで、人は愛を感じ希望を見出すことが出来、生きる目的は抱きしめることで生き甲斐をもたらすことが出来ます。

 こころの中を見つめるとそこには人間の本質が宿る、その人間の本質こそロータリーの本質に通ずるものなのです。今年のテーマはこの様な意味を持っているのだと思います。

テーマとロゴの発表後に3つの強調事項が示されました。

第1の強調事項は家族。家族と家庭が活動の核となって、地域社会と関わり合って人類全体との接点を持つ、その結果世界に平和をもたらすというものです。

第2の強調事項は、継続です。継続はポリオプラス、紛争の解決、疾病予防、識字率の向上、など何れも継続していかなければならないことです。

第3は変化です。

マハトマ・ガンジーは「世界の変化を望むなら、あなた自身がその変化にならなければならない」と言っています。環境の破壊を止めたり、子どもの死亡率を減らしたいと思うのであれば自分自身がその担い手とならなければならない。その為には自分自身の中に変化を起こす必要があると言われています。

 次に会員増強です。

会員は1996年をピークに13万1千人居ましたが、ここ15年間連続して減少しています。

昨年1月には8万9700人まで減少し、インドが10万人を超えたということもあり、日本は世界で第3位のロータリアン人口となりました。

 原因は不況と不透明な経済環境、高齢化と病気による死亡、地方の過疎化とか例会費が高いことが経済的負担になったり、長寿社会になって二世会員が入りにくいなどが挙げられます。

 ここで会員増強について私なりの5つのポイントを挙げてみます。

 ① 父親がロータリアンである場合、会社はとっくに子どもに譲っているのにロータリー活動では譲っていない場合が多々あります。ロータリーを相続していくには適齢期があろうかと思います。例えば親子会員で息子さん入る場合入会金を免除するとか考えてみては如何でしょうか。

 ② 次は主人と奥様のケースで長い経験で奥様はロータリーについて分かっておられるので夫婦ロータリアンについて検討してみる。

 ③ 35歳以下のロータリアンはまだ職業奉仕も一生懸命ですし、自分自身も会社もこれからという方には、一寸甘いかも知れないが多少会費免除をするとかはどうでしょうか?

 ④ このクラブは平均年齢が60歳ですが、60歳は社会的にはリタイアの時期です。はっきり言うとリタイアの集団ということになりますから若い人を推薦することは私たちの義務だと思います。ロータリーは素晴らしいと思い例会に出席されている方は、若い人にもチャンスを与えて欲しいと思いますし、ロータリーは若い時にこそバッジを付けてロータリーの価値を共有することに意味があると思います。

 ⑤ 皆様は何方かのご紹介で入会していますが、会員の8割の方は「誰も紹介したことがない」という現実でもありますので、是非一人は紹介して欲しいものです。

 ⑥ もう一つ女性会員についてこのクラブは一人ですので是非増員をお願いを致します。それと一業種一人をこのクラブでは頑なに守っておられますが、一業種5人までは可能ですのでよろしくお願いします。

 次に東日本大震災の義捐金についてです。昨年度は亀井ガバナーが全国で第2位のグループに入る約8千万円を集めて、ガバナー会へ送りました。

 この義捐金の使途について去る7月1日にガバナー会で報告がありました。この義捐金については、公正さを保つこと、人づくりに使いたいこと、そして心温まるものでなければならないこと3つのコンセプトで実施することにしました。

 具体的には、東日本大震災支援検討委員会を立ち上げるということです。

実施について2つの柱を立てました。

 先ず災害遺児の教育環境支援、即ち両親が亡くなったかあるいは片親となった高校生、大学生、専門学校生の学生に対して支援していくということです。向こう5年間で凡そ8億7千万、全ての学生が卒業するまでには凡そ21億円かかるというものです。

 もう一つは「5 for 1プロジェクト」です。これは5つの非被災地区のロータリークラブが、1つの被災クラブを助けようというプログラムです。

 これは当初、ロータリアンが被災して家もない、クラブもない、仕事もないということで、ロータリーのお金をロータリアンにくれという話しがありましたが、良識ある先輩の「それはしてはならない」という意見に従ったということです。

 ロータリーにはロータリーの理想があり、後世に義捐金はどの様に使われたかということが当然問われるわけで真剣に検討し、有意義に使いたいということです。これに運営費などを加えて24億8千万ぐらい必要であろうということです。

 以上で公式訪問のスピーチを終えますが、10月7日~9日は地区大会です。ぜひ全員参加でお願いします。ご静聴有り難うございました。

Club Banner
Club Banner

 クラブバナーのデザインは、創立時のテリトリーのシンボル的存在だった栗林公園の「箱松」とロータリーのエンブレムを組み合わせたものです。

 箱松とは、その名の通り箱のかたちを装った松。樹芸の粋を極めた箱松は、ほかには見られない特別名勝 栗林公園ならではの景観をつくっています。

アクセスカウンター