高松南ロータリークラブ誕生物語

チャーターナイト(認証状伝達式)
チャーターナイト(認証状伝達式)

1. 昭和32年1月27日、高松南ロータリークラブの特別代表であった高松RCの佐々木礼三氏は新大阪ホテルでの一日講習会を終え、午後5時25分発の大阪発宇野行き快速列車に飛び乗った。ここから高松南ロータリークラブの歴史は始まった。
2. 昭和32年当時、香川県には高松RCと坂出RCの2つのクラブがあっただけで、我がクラブの特別代表であった佐々木礼三氏は、代々の地区(当時は第365地区で、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、滋賀県、兵庫県+四国4県で1つの地区であった)ガバナーから事ある毎に、もう1つ2つの拡大をするようにと勧告を受けていた。
3. 大阪での一日講習会を終え、宇野行きの快速列車に乗ろうとした佐々木礼三氏は、大阪駅のホームで同じ(後に我がクラブのスポンサー・クラブとなった)高松RCの西山、中川氏と、そして宇高連絡船鷲羽丸では東山、三宅氏と一緒になり、特別室での会談と相成った。
4. 佐々木特別代表と西山、中川、東山、三宅氏(いずれも高松RC)による、宇高連絡船鷲羽丸特別室での話は自然とロータリー・イクステンション(拡大)のことが中心となった。
区域的なバランスから丸亀や琴平などの候補地が次々と挙がった。しかし、後の調査で西讃地区では当時、丸亀、善通寺、多度津地方を一括してライオンズクラブが出来たばかり(丸亀ライオンズクラブ、昭和32年2月創立)で、会員獲得の難しさが予想された。
5. 昭和32年当時、岡山に2つ目のクラブとして岡山南RC(昭和31年12月創立)が出来たのを始め、全国各地でアディショナル・クラブが誕生していた。宇高連絡船鷲羽丸での高松RCメンバー5名によるロータリー・イクステンションの話も、次第に高松にもう1つのクラブを作ろうという方向に進んでいった。
6. 特別代表であった佐々木礼三氏は高松RC会員の応援を得ながら、南クラブ初代の会長を務めた大西義衛氏を入会勧誘したのを皮切りに、高松に2つ目のクラブを作ろうと精力的に地域調査、職業調査等に走り始めた。
そして昭和32年3月27日(木)、川六旅館における高松南クラブ結成打合せ会開催へと辿り着いた。打合せ会には高松RCから佐々木、西山、中川、石原、四宮諸氏、そして新クラブからは近藤、千切谷、大久保、西本の4氏が出席し、この4氏がキー・メンとなるように依頼された。
7. 高松南クラブ結成打合せ会でキー・メンとなった近藤、千切谷、大久保、西本の4氏は特別代表の佐々木氏と力を合わせ、創立会員(Charter Member)25人を目標に勧誘を開始した。
8. 高松南RC創立にあたってのキー・メンであった千切谷氏から、創立会員の勧誘が順調に進んでいることを確認した特別代表の佐々木氏は、昭和32年4月4日(木)の高松RC理事会および例会で南クラブ結成について発表した。
そして、4月6日大阪での地区協議会にて佐々木氏は大阪RCの露口会長からイクステンションの書類の書き方、手続き等についての指導を受け、新クラブの結成に備えた。
9. 高松RCは高松南RCの結成に備え、昭和32年4月11日(木)の例会を臨時総会とし、高松RCの区域を次のように訂正した。
高松RCの区域は「高松市観光道路以北及其附近」とする。これにより高松南RCには「高松市観光道路以南及其附近」という区域が割譲され,新クラブ結成の素地ができた。そして翌日(4月12日)の記念すべき仮ロータリークラブとしての第1回会合開催となったのであった。
10. 昭和32年4月12日(金)、高松南ロータリークラブは仮ロータリークラブとしての記念すべき第1回の会合を産業会館グリルにおいて開いた。時間は今と同じ12:30~13:30の間、チャーターメンバー20名のうち13名が出席した。
高松RCより佐々木、西山、中川、石原、四宮および大西諸氏が来訪され、種々ロータリーの話をしていただき、奉仕と友愛に結ばれたロータリーの精神を学んだ。
11. 高松南ロータリークラブの創立会員(Charter Member)は以下の20名の方々である。
・千切谷 博(春風堂代表取締役)
・福田 定夫(第一物産高松支店長)
・秦 健雄(秦眼科病院長)
・平尾 栄一(三共高松支店長)
・木村 寿雄(四国機器専務取締役)
・久保 亦三(キリンビール高松出張所長)
・近藤 良一(栗林病院長)
・牟禮 政治郎(牟禮印刷所長)
・森 繁治(森繁治商店社長)
・中村 幸一(三井信託銀行四国支店長)
・西本 共介(明善短期大学学監)
・西村 崇(西日本時計製造所副社長)
・大久保 喆三郎(大久保製塩業主)
・大西 義衛(大西脳病院長)
・佐藤 春吉(東芝電気高松営業所長)
・杉山 直三(杉山和洋紙店専務取締役)
・十河 秀雄(井戸屋別館社長)
・辻 雅文(グランド劇場取締役)

12.昭和 32 年4 月12 日(金)に開かれた第1 回の例会当時の高松南ロータリークラブの概

要は以下のようであった。

名  称 高松南ロータリークラブ

地  域 高松市観光道路以南及其附近

例会場 産業会館グリル 高松市六番丁

    電話 3649 番

例会日 毎週金曜日 12:30~13:30

事務 所 三井信託銀行四国支店内

入会 金 5,000 円

会 費月 1,500 円

13. 昭和32年4月12日(金)に仮ロータリークラブとして順調に船出したはずの高松南ロータリークラブであったが、佐々木礼三特別代表がRI入会金$100をRI本部に送金し、高松南ロータリークラブが結成したことをガバナー事務所に報告したところ、当時の365地区ガバナーの今村荒男氏(大阪RC)から「間違えている、君を4月10日付で特別代表に任命し、26日を創立総会にせよ。」との電報があった。
このことにより第3回目の例会であった4月26日が高松南ロータリークラブの正式の創立日となったのであった。
14. 昭和32年4月26日(金)の創立総会はガバナーの指示に従って佐々木特別代表の司会のもとに行われ、今村荒男ガバナーからの祝電の披露やスポンサークラブである高松RCのメンバーからのロータリーに関する発言などがあった。そして、RI本部への提出書類をガバナーへ送付し、高松南仮ロータリークラブが発会式を挙げたことがRIへ報告された。
15. 昭和32年5月29日付を以って高松南ロータリークラブはRI本部から加盟認証の通知を受けた。これにより、高松南ロータリークラブの会員はロータリアンとして国際的な独り歩きができるようになった。
高松南ロータリークラブの加盟認証状には以下のことが記されている。
This Certifies that the Rotary Club of Takamatsu South,Japan having been duly organized and having agreed , through its officers and members , to be bound by the Constitution and By-Laws of Rotary International , which agreement is evidenced by the acceptance of this certificate , is now a duly admitted member of Rotary International and is entitled to all the rights and privileges of such membership .
In witness whereof the seal of Rotary International is hereto affixed and the signatures of its officers , duly authorized , are subscribed hereto this twenty-ninth day of May Anno Domini 1957 Gian Paolo Lang , President , Rotary International George R.Secretary , Rotary International Recommended by Arao Imamura , District Governor
16. 高松南ロータリークラブの加盟認証状伝達式は昭和33年3月2日に高松市琴参グリルにおいて開かれた。
伝達式は特別代表の佐々木礼三氏の司会で始まり、直木太一郎ガバナー(神戸RC)から認証状が手渡され、直木ガバナーの挨拶の後、今村荒男直前ガバナー、石原俊士高松RC会長、金子正則香川県知事などの来賓から祝辞を頂き、厳粛に滞りなく終了した。参加クラブ数は22、出席者は来賓、報道関係者、ロータリアンとその家族で合計210名であった。また、この日の新クラブ会員は33名であった。
17. 加盟認証状伝達式に引き続いて行われた祝宴(チャーター・ナイト)は午後5時から、来賓を始め参加者一同が童心に返って声高らかに童謡"靴が鳴る"を合唱し、これを合図にいとも盛大に開宴され、チャーター伝達式の無事終了を喜ぶ祝杯が満場一斉に挙げられ、和やかなる交換が始まった。やがて高松華陽会の名姑連による小唄、長唄など絢爛たる舞台が繰り展げられ、満場を魅了し尽くした。
前日に行われた親善ゴルフ大会の表彰の後には、皿廻しの世界記録保持者である佐々木周国氏の妙技が公開され、スリルにとんだ珍芸に場内は終始鳴り止まぬ拍手喝采に満ち溢れた。そしていつしか時も過ぎてお別れの時刻となり、互いに手と手を固くつないで輪を作り"手に手つないで"を斉唱、万歳を三唱し、ここに名残り尽きない披露宴の幕を閉じた。

報告:堀 祥二

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Club Banner
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 クラブバナーのデザインは、創立時のテリトリーのシンボル的存在だった栗林公園の「箱松」とロータリーのエンブレムを組み合わせたものです。

 箱松とは、その名の通り箱のかたちを装った松。樹芸の粋を極めた箱松は、ほかには見られない特別名勝 栗林公園ならではの景観をつくっています。

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