週報2009年7月分

7月22日卓話「脳の健康―脳卒中で倒れないために-」 

 

 長 尾 省 吾 会 員 

私の話は、脳卒中の統計、種類、脳血管が詰まったり出血する病気とはどういうものか。次に、脳卒中で倒れないためにはどのようにすればよいかを話します。通常1時間半のものを20分です。その点を含んでお聞きください。

(1)   卒中の種類

脳血管が詰まる脳梗塞(脳血栓・脳塞栓)脳卒中の7割

脳血管が破れる脳出血(高血圧性脳内出血・くも膜下出血)

(2)   過性脳虚血発作(TIA)

脳梗塞の前ぶれとして・手足の麻痺・手足のしびれ・口がもつれる・言葉がでなくなる・物が二重に見える・片側の目が見えなくなる・視野の半分が見えなくなる・めまい、ふらつき等の症状がでても1日以内に治ってしまうものです。何回も起こるのは危険信号。最近では、tPAという薬がでて発作3時間以内に投与するとつまった血管が再開通して、劇的に症状が回復し、約4割の人が社会復帰ができている報告があります。ただ、この薬を投与できる医師は限定されており高松南のロータリアンは万一のときには会員名簿の携帯番号で24時間対応できます。

(3)   脳の血管が破れる脳出血

大きく分けて、脳実質の中を通る細い血管(穿通枝せんつうし)から出血する高血圧性脳出血と、脳表面の太い血管にできる脳動脈瘤(りゅう)が破れるくも膜下出血の2つがある。

  脳出血は一般に高血圧があり。40~60歳で日中活動時におこり易い。脳梗塞に比べ頭痛が強く、吐き気を伴い、手足のしびれ、言語・意識障害が急激に進行する。診断は簡単にでき、高血圧性脳出血は出血が大きいと手術によって摘出します。

 脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血では、できるだけ早く手術で瘤のクリッピングをして再出血を防ぐ必要があります。現在、脳神経外科の手術は顕微鏡下でおこなわれ、安全・確実な手術ができるようになりました。

(4)   脳卒中でたおれないためには

   ①脳卒中になる危険因子を知り、予防あるいは治療する

    ②日常生活での注意(食事、酒、たばこ、運動、ストレスなど)

    ③脳卒中の前ぶれ(一過性脳虚血発作)があればすぐ専門医へ

    ④脳ドック・・・潜在病変の発見と予防的処置

(5)   脳卒中で倒れる危険因子

     血圧症 高齢者は140/90mmHg 若い人130/85mmHgの血圧維持がすすめられる。高血圧をコントロールしないと脳卒中再発率も高い。

     高脂血症 動物性脂肪を制限し、植物性、魚の比率を高める

     心疾患 心臓の異常を言われている人は早めの治療が必要

     ④  糖尿病 血糖値の正常化に努めましょう。

(6)   日常生活での注意

     ①食事 1日の食塩の量を10g以下に 塩味から酢・レモン・香辛味へ

     ②酒・たばこ 過度の習慣性飲酒以外は脳卒中とあまり関係ありません。タバコ

       は脳血流を減少させる報告あり、1日10本程度

     ③肥満・運動・ストレス 肥満度が大きくなると脳卒中の危険度が増します標準体

    重=身長(cm)―100(cm)×0.9(Kg) 

    過度の運動は特に高血圧症の人はひかえねばなりません。

   ④脱水 朝起き抜け一番の冷水コップ1杯がお勧め

すすんでとりたい食品

エイコサペンタエン酸の多い食品(イワシ、マグロ、サバ、サンマ、シャケ、ハマチ)

不飽和脂肪酸の多い食品(コーン油、ゴマ油、大豆油、紅花油)

ひかえたい食品

コレステロールの多い食品(卵、すじこ・かずのこ・たらこ、牛・豚レバー・とりもつ、あさり・かき(貝類)、うなぎ・いか・たこ・えび、マヨネーズ・バター、カステラ)

飽和脂肪酸の多い食品(豚・牛肉の死亡の多い部分、チーズ、生クリーム、チョコレート)

(7)脳ドッグ 苦痛なく脳病変の診断が可能になりました。予防的手術も行われています。早期発見・早期治療です。

 

7月29日卓話「わが短詩歌創作の歩み」よ

 

石 川 浩 直 前 会 長 

 現役の工学部長だった平成14年の暮れの忘年会で、ある職員が自作俳句を持参し、「学部長、ご返歌を!」と迫られた。俳句経験皆無の身に堪えたが、文理融合の創設理念を標榜している手前、しばし黙考後、「支へられ身を引き締めて初明り」と返すと、「素晴らしい、投稿してもよいか?」とのこと。お任せすると、これが平成15年1がつ21日付の読売新聞「読売さぬき文芸/俳句欄」の特選に掲載された。何だ、俳句とはこの程度なのかと図に乗って、2月の梅、3月の春を主題に「地球(ほし)救ふ文理融合梅真白」「春光や「洞察」と大書工学館」と詠むと、いずれも特選。川柳はどうかというので「交差点幼な手を挙げ春の列」と出句すると、平成15年4月30日付「読売さぬき文芸/川柳欄」特選。以降、「朝日香川版」「毎日ぷらざ」「山陽讃岐文化」「産経川柳」などの新聞地方版、全国誌の「ロータリーの友」などに俳句、川柳、短歌を投稿し、特選・入選・佳作と種々掲載されて、平成19年秋には掲載総回数が千回を超えた。そこで興味が減退し、「ロータリーの友」を除いて投稿活動を中止した。なお、平成20年1月25日付「毎日ぷらざ/俳句欄」で「脂身にためらひ箸や花の宴」が年間大賞として表彰された。理系人間でも「為せば成る」で、右脳を研ぎ澄ますことができるものだと実感している昨今である。

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 クラブバナーのデザインは、創立時のテリトリーのシンボル的存在だった栗林公園の「箱松」とロータリーのエンブレムを組み合わせたものです。

 箱松とは、その名の通り箱のかたちを装った松。樹芸の粋を極めた箱松は、ほかには見られない特別名勝 栗林公園ならではの景観をつくっています。

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